日本の住宅について、この50年ほどをふりかえると、地球環境の変化だけでなく、日本人が心地よいとする住環境も大きく変化を続けています。人の住まいはそれだけでは語れませんが、安心して永く健康的に暮らしてゆくために家の性能を整えることは現在、重要な機能の一つとなっています。
そんな中、今注目をされている高性能住宅とは、主に「気密性・断熱性・耐震性・耐久性」に優れている住宅を示します。現在、明確な定義や基準はありませんが、家の隙間を表す気密性にはC値、断熱性にはUA値などの数値を目安に自分の家を客観的にみることができます。家を建て直して新しく作った方が性能を上げやすいことは間違えありませんが、今の暮らしを大切にしながら、性能を上げる技術も一般的になってきました。国や自治体でも注目しているので、省エネを推奨するべく、補助金が給付されたり、税金面で優遇を検討できます。
相羽建設がお手伝いさせていただいた工事として、窓だけのリフォーム、ひと部屋だけの断熱改修も多く実績があり、効果があることを実感しています。その家にとって必要な内容によって必要な内容も変わってきます。例えば一人暮らしのお宅で、2階にはあまりあがらなくなった場合は1階だけのリフォームを選択したりします。また、集合住宅では共有部分の工事が不可だったり、隣家と接している部分は工事が不要だったりします。生涯の計画として、この家にあと何年暮らそうと思っているのかも重要なポイントになります。建物の築年数や状態によっては耐震についても一緒に検討をおすすめしています。
今回ご紹介するまるごと断熱リフォームは戸建の中古住宅にお住まいで、これからも、ながくこの家に住む予定の方におすすめしたい方法です。イメージするのは、中古住宅を購入する小さいお子さまがいる家庭で「あっちは寒い」「ドアを閉めて」などのストレスから解放されるエリアフリーな生活です。または永く住んできた家に於いて、そろそろ外装工事をするタイミングで検討したい健康寿命への効果です。
具体的には、壁断熱・床断熱・天井断熱・開口部の断熱をセットで考えます。熱の越境と損失を考え、魔法瓶のようにぐるっと室内を囲むイメージです。
◯壁断熱
外壁は概ね築年数によって劣化が想定され、20年程度なら今の外壁を利用して上からもう一枚外壁を施工する外壁の重ね貼り、30年以上で外壁のメンテナンスをしていない場合は今の外壁を一度剥がして再施工する外壁貼り替え、40年以上であれば構造や白蟻の確認も含めて柱梁のみまで解体するスケルトンリフォームをご提案します。建物の状況によっても左右されますので調査が必要です。(せっかく)足場をかけた工事になりますので、屋根の工事もご提案に含める場合が多くなります。
◯床断熱
おそらく今建ってる住宅のほとんどはスタイロフォームという板状の断熱材を根太と呼ばれる木材の間に敷き込んだ方法を採用しています。基礎の作り方にもよりますが、古い家では床の気密が取れていない事がほとんどです。冬場床が寒いのはここに理由があります。リフォームの場合はその隙間も遮断したいため、床下から発泡ウレタンを吹き付ける方法を第一候補としています。
◯天井断熱
登り梁とよばれる水平の天井を作らず屋根の裏面の傾斜が仕上面になっている場合を除き、天井の裏に軽い断熱材を吹き込みます。重量の負荷を最大限減らします。
◯開口部の断熱
室内からの熱損失が一番大きいのは実は窓です。なので、寒さを軽減させたい場合は窓断熱が必須の項目となります。窓を交換する方法の他にも内窓と呼ばれるもう一枚窓を設置する方法があります。開け閉めが二重となり多少面倒ではありますが、既存窓との間に空気層を設けることができて有効です。窓交換でも内窓でも、南面北面などによるガラスの選び方も重要になります。
◯光熱費が抑えられる
みなさんが一番ぱっと思いつく効果として光熱費の軽減があげられると思います。家が暑くなりにくい、冷えにくいというのは、エアコン等の効率が上がり、上昇傾向の電気代や地球に対する負荷という面でも有効です。
◯健康的に暮らせる
気密・断熱性の上がった空間では家の中での温度差が減少します。そのため、ヒートショックと呼ばれる家の中での温度差による事故を減らしたり、家での活動可能なスペースが広がったりします。また窓からの熱損失を減らすことで結露が減り、カビなどの問題も軽減が期待できます。
◯家の寿命が長くなる
戸建住宅は建てっぱなし、というわけにはいきません。定期的なメンテナンスが必要になります。特に家の周りに足場をかけなくてはならない外装工事(外壁や屋根の工事など)はお金がかかるものです。築年数の経ったお家では雨戸の裏や浴室周りではシロアリの被害も気になります。永く家を守るためにもお家の総点検を行う事で家の価値が上がり、寿命も長くなります。
◯換気が大切になる!
気をつけたいポイントは計画的な換気です。気密が上がりますので工事後は前よりも積極的な換気が必要となります。熱交換型換気などをご提案する場合も多くあります。そして、過剰加湿への注意、石油ストーブなどの燃焼系の暖房器具は使えなくなることもありますので注意が必要です。
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